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「ひとつ盛んに喧伝されている話があります」 とは政治部デスク。 「亘氏と、今も永田町に睨みを利かせる元“参院のドン”こと青木幹雄氏(87)が相談を済ませ、青木氏の長男で参院議員の一彦氏(60)を次の総選挙で島根2区から擁立するというのです。一彦氏が鞍替えすれば、島根は“青木王国”へと看板が掛け替わるだけに、その既成事実化を狙った思惑含みの噂との見方もある」
竹下登元首相の異母弟である亘氏は、登氏の秘書を経て2000年の衆院選で初当選。一方の青木幹雄氏も登氏の秘書から参院議員となり、引退後も参院竹下派に強い影響力をもつ。
かくも存在感のある両雄の間で権力の移譲がそうたやすく運ぶのか、疑うムキは少なくない。それが証拠に、自民党島根県連の絲原徳康幹事長が言うには、 「候補者選びはまだ白紙。そもそも後継の選定は細田博之・県連会長に一任されており、細田さんから具体的な名前は一切挙がっていません。仮に一彦さんを立てるにしても、彼は前回19年の参院選で合区の『鳥取・島根選挙区』から当選していて、鳥取側との調整が必要になる。そんな簡単な話じゃありません」
元県議もこう明かす。 「幹雄さん自身が“一彦を政治家としてまだまだ評価していない”と常々話しており、彼を推すことはないと思う。しかし亘さんの息子2人も政治家になる意思はないと聞く。そこで県連は地元県議からの擁立も考えているが、竹下でも青木でもない“第三の男”で容易に決着するものか」
そこで“竹下ブランド”の維持にもなると熱い視線を注がれるのが、登氏の孫にあたる歌手でタレントのDAIGO(43)だ。 「彼の知名度なら選挙に不安なし。嫁で女優の北川景子ちゃんが選挙の応援に姿を見せてくれたりすれば、島根に注目が集まり、地域の活性化に繋がるとの期待まである」(県政関係者)
だが問題は「都会育ちのDAIGO本人に選挙で田舎を走り回る気などない」との風評が地元に拡がっていること。亘氏の実弟の三郎氏にDAIGO擁立説について訊くと、 「それについてはコメントを差し控えさせて下さい」
総選挙は秋までに必ずある。なのになお後継が定まらぬ現状は「王国」の意外な人材難の表れだった。
「週刊新潮」2021年7月22日号 掲載
新潮社
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配信 日本海テレビ 配信より
竹下亘衆議院議員が今期限りでの引退を表明し、自民党島根県連は島根2区の後継候補について26日から公募を始めている。
これを受けて県議会最大会派「自民党議員連盟」は会派に所属する高見康裕県議を推薦し、26日高見県議が申請書を提出したことが分かった。高見県議は日本海テレビの取材に対し「地元の島根のために全力を尽くしていきたい」と話している。
また県議会自民党に所属する原拓也県議も後継候補への意欲を示していることが分かった。公募の締め切りは今月末までとなっていて、今後自民党島根県連の選考作業が活発化する見通しだ。
また次の衆議院選挙の島根2区をめぐっては日本共産党の向瀬慎一さんが出馬を表明している。
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